■ 誰の困りごとか
神奈川県藤沢市に住み、藤沢・辻堂・茅ヶ崎など湘南エリアを中心にフードデリバリーの配達を行っている個人事業主の配達員。特に、配達を主な収入源としている人や、他の仕事と組み合わせながら継続的に稼働している。

■ どこでの困りごとか
藤沢市・辻堂・茅ヶ崎周辺の住宅街や商業施設、マンション群、幹線道路沿いの配達現場。具体的には、辻堂駅周辺、テラスモール湘南周辺を含む都市近郊の配達エリア。

■ どんな困りごとか
配達の仕事は自由度が高い一方で、事故や怪我が起きた瞬間に収入が止まる。仕事中の怪我だけでなく、私生活での怪我でも同じことが起こるが、そのときの代替収入や支えとなる仕組みはほとんど見えにくい。結果として、働けるうちは働き続けるしかないという不安定さを抱えながら日々稼働している。

課題説明

身体依存の収入構造:
この仕事の一番大きな特徴は、体が動くことそのものが収入の前提になっている点にある。会社員のように有給休暇や休業補償があるわけではなく、バイクに乗って配達できる状態でなければ、その日の売上は立たない。町山さん自身も、バスケでの捻挫や突き指といった怪我を経験しており、「怪我したら仕事できません。もう最悪」という感覚を率直に話している。仕事中の事故だけではなく、私生活での怪我でも同じことが起きるため、常に「止まったら収入も止まる」という不安がつきまとう。

現場負荷の見えにくさ:
配達の現場では、単に商品を運ぶだけでは済まない。たとえば、住所は合っていてもUber Eats上のピン位置がずれていたり、郵便番号だけの雑な入力になっていたり、茅ヶ崎市内でも実際の到着地点と案内地点が食い違ったりすることがある。また、辻堂駅北口のジ・エリアや、病院の隣にあるマンション、プレミストアクアフォレスト周辺のように、建物に入ってから目的地までが分かりにくい場所もある。こうした細かなズレは、1件ごとの時間と体力を確実に削っていくが、その負担は表面化しにくい。

評価制度の片務性:
配達員は、届け先や店舗側の事情まで含めて、最終的な評価責任を負わされやすい。実際に、テラスモール湘南内の店舗などで、商品を紙のまま渡され、ビニール袋が付かないケースがあるという。そのまま運べば荷崩れや見た目の悪化につながり、低評価は配達員側に返ってくる。そのため、町山さんは自前で小型のクーラーバッグを用意し、置き配では地面に直接置かないよう紙を1枚敷くなど、自分で防衛策を重ねている。評価が一定水準を下回ると稼働継続にも影響するため、小さな工夫を怠れない構造になっている。

自由と不安定の表裏一体:
町山さんは、この仕事の魅力として「誰かに監視されないこと」を挙げている。好きな時間に働けて、精神的なストレスが比較的少ないことは、確かに大きな利点である。一方で、その自由は保障の薄さと表裏一体でもある。もともと町山さんは自動車業界で働いていたが、半導体不足などの影響で雇用環境が変化し、その後配達の仕事に移った。始めやすく、すぐ収入になることは強みだが、長く続けるには脆さも大きい。実際、今後は第二種電気工事士の資格を生かし、エアコン工事などの仕事にも関心を持っているが、そこにも実務経験の壁がある。今の仕事をやめればすぐ収入が減る一方、次に移るにも準備が必要で、その間を支える仕組みは乏しい。

町山さん プロフィール

神奈川県藤沢市在住。藤沢・辻堂・茅ヶ崎を中心にフードデリバリーの配達を行っている。バイクを使って長時間稼働しており、スマートフォンの充電環境も自分で整備している。もともとは自動車業界で働いていた経験があり、現在はUber Eatsの配達を続けながら、将来的には電気工事など資格を生かした仕事への移行も視野に入れている。

インタビュー

  1. 町山さんのご状況
    ──現在はどちらに住まわれていて、どのあたりで配達をされているのでしょうか。

今は辻堂に住んでいます。場所でいうと、辻堂海浜公園に近いところです。もともと母親の実家で、今は自分が住んでいます。庭もあるので、バイクを止めやすいんですよね。配達のエリアとしては、藤沢、辻堂、茅ヶ崎あたりが中心です。

  1. 配達のときの移動手段
    ──配達では、どのような車両を使っているのでしょうか。

バイクで配達しています。長時間稼働するので、スマホの充電が切れないように、バイクから電源を取れるように自分で電装もいじっています。ナビをずっと動かしていると電池がかなり減るので、そこを整えておかないと仕事にならないんです。

  1. 自由な働き方の魅力
    ──配達の仕事を続けている理由は何ですか。

一番大きいのは、誰かに監視されないことですね。働く上で一番ストレスなのって、ずっと見られていることだと思うので。その点では、この仕事は自分に合っています。登録したのは2020年頃で、今に至るまで続けています。もともとは自動車業界で働いていたんですが、半導体不足とかもあって、雇用の先行きが怪しくなった時期があったんです。そういう流れもあって、この働き方に移ってきました。

  1. どんな場所の配達が多いのか
    ──普段の配達で、特に行くことが多い場所はありますか。

この辺だと、やっぱりテラスモール湘南の周辺はよく行きますね。注文が集まりやすいですし、そこから住宅街やマンションに届ける流れが多いです。エリアとしては動きやすいんですけど、その分、建物の入り方や受け渡しで時間がかかることもあります。

  1. 配達現場で起きていること
    ──日々の配達で困ることには、どんなものがありますか。

一番分かりやすいのは、住所やピンのずれです。住所の書き方が雑だったり、郵便番号しか入っていなかったり、茅ヶ崎市なのに全然違うところにピンが立っていたりすることがあります。マンションも厄介で、辻堂駅北口のジ・エリアとか、病院の隣のマンションとか、プレミストアクアフォレストの周辺とか、入ってから先が分かりづらいところがあるんです。建物名だけ見ても、どこから入ればいいのか分からないことがあって、現地でかなり時間を使います。

  1. 評価を守るための自己防衛
    ──配達そのもの以外に、神経を使うことはありますか。

評価ですね。たとえば店舗側がビニール袋を付けずに紙のまま渡してくることがあるんですが、そのまま運んで崩れたり見た目が悪かったりすると、評価はこっちに返ってきます。だから、自分で小さいクーラーバッグを入れたり、置き配のときは直接地面に置かないように紙を1枚敷いたりしています。店側の問題でも、最後は配達員が何とかしないといけない場面が多いです。

  1. 仕事道具への工夫
    ──配達を続けるうえで、自分なりに工夫していることはありますか。

スマホホルダーや充電環境はかなり大事ですね。ずっとナビを見ながら動くので、途中で電池が切れると困る。だからバイクから電源を取れるようにして、充電しながら動けるようにしています。細かいところですけど、長く稼働するにはそういう準備が必要です。

  1. 怪我した瞬間に収入が止まる不安
    ──この仕事で一番大きな不安は何でしょうか。

やっぱり怪我ですね。配達中の事故はもちろんですが、それだけじゃなくて、私生活で怪我をしても同じなんです。自分はバスケもやるんですけど、右足を捻挫したこともあるし、アップもせずに動いて突き指したこともあります。そうなると、本当にそのまま仕事ができなくなる。会社員みたいに休んでも給与が出るわけじゃないので、怪我した瞬間に収入が止まるんです。そこが一番怖いですね。

  1. これからの働き方
    ──今後については、どのように考えていますか。

このままずっと体力だけでやっていくのは難しいと思っています。だから、将来的には電気工事みたいな資格が生きる仕事にも関心があります。第二種電気工事士は取っていて、エアコン工事なんかも気になっています。ただ、資格があるだけですぐ仕事になるわけじゃなくて、実務経験が必要だったり、どこかに入って経験を積まないといけなかったりする。配達はすぐ現金になるけど、長く働くには別の準備も必要だなと感じています。

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