鹿児島・桜島で椿油の製造・販売に取り組む事業者。
鹿児島県・桜島を中心とした椿油の生産現場。椿の木が点在する農地、民家の周辺、分散した小規模な畑、収穫後に種を乾燥・選別・保管する作業場、そして椿油を商品化して販売する地域事業者のサプライチェーン全体。
需要はあるのに、椿の種を安定的・効率的・高品質に集める仕組みがなく、潜在資源が産業として使える有効資源になっていない。
単なる人手不足ではなく、収穫の機械化が難しい地形、特性が未研究な作物、種の選別が属人的であること、乾燥・保管方法の経験依存、分散した資源をどう集約するかという構造課題が重なっている。
課題説明
①需要はあるが、供給が追いつかない
現場の実感は需要に供給が追いつかない状態。観光客向けのお土産、鹿児島の観光施設や港、ホテル、特産品売り場に加え、オンライン販売やライフスタイルショップへ販路が広がっている。いわゆる“コスメど真ん中”ではなく、「暮らしの質を上げる地域産品」としても展開する余地もある。
しかし、供給側が追いついていない。地域全体の椿の種の量はざっくり年間平均5トン程度。そのうち、ある事業者が扱うのは多い年で2トン、少ない年では1トン未満。しかも年によって収量に波があり、取れた年にすべて売ってしまうと、翌年以降に商品を供給できなくなるリスクがある。
②木はあるのに、産業資源になっていない
桜島には多くの椿の木がある。火山灰による被害を受けない作物ため、地域に盛んに植えられたという、桜島ならではのストーリーがある。
20年前には潤沢だったはずの椿の種子は、現在十分に集まらなくなっている。理由は、木そのものの不足ではない。現場の言葉を借りれば、「潜在資源はあるが、有効資源にできていない」。
椿の木が植わっていても、誰かが管理し、草を刈り、収穫し、乾燥し、持ち込まなければ、油の原料にはならない。これまでは、地域の農家や生活者が自分のペースで種を集めて持ち込むことで成立していた。だが、その仕組みは非常に属人的だ。
「その人が辞めたら、もうおしまい」。この言葉が象徴しているのは、地域資源のサプライチェーンが信頼と習慣に支えられてきたという現実だ。だが、担い手が高齢化し、引き継ぎが進まなければ、その習慣は途切れる。
③収穫は、手作業である
椿の種は、基本的には落ちたものを拾うか、木からもぎ取る。桜島では両方のやり方が混在している。
落ちた種を拾う方法には、自然に熟したものを取れるという利点がある。一方で、落ちた瞬間から土に触れ、汚れ、劣化が始まる。そのため、一定の頻度で拾わなければならない。作業は膝をつき、腰を曲げ、一粒ずつ拾う。量が増えるほど、人件費に見合わなくなる。
もぎ取る方法は、土に触れないため汚れにくく、一つの実の中に複数の種が入っているため効率がよい面もある。ただし、木を低く管理しなければ手が届かず、収穫時期の見極めも難しい。早く取りすぎると油の質が落ちる可能性がある。
④乾燥・選別・保管が、経験則に依存している
収穫した種は、そのまま搾ればよいわけではない。乾燥が必要になる。現場では基本的に天日干しがよいとされ、籠に種を入れて朝に外へ出し、夜にしまう。雨、夜露、桜島の火山灰を避ける必要があるため、出し入れはかなり手間がかかる。
ハウスで乾燥する実験も行われているが、それが品質にどう影響するのかはまだ切り分けきれていない。直射日光が必要なのか、水分だけ抜ければよいのか。紫外線が重要なのか、温度なのか、湿度なのか。そこがまだ十分にはわかっていない。
選別も同様だ。良い種、普通の種、悪い種を人の目と手で分けている。虫食い、カビ、白くなっている部分などを見て判断する。スタッフは1~2時間ほど教わればある程度できるというが、迷ったら捨てる運用になっている。悪い種が混ざると最終的な油の匂いや品質に大きく影響するためだ。
ただし、ここには歩留まりの問題がある。はじいた種の中にも、実は使えるものが混ざっている可能性がある。逆に、残した種が本当に最適なのかも、科学的には検証しきれていない。
保管も課題だ。収穫は10月頃に集中するが、すぐにすべて搾油できるわけではない。種のまま半年ほど保管することもある。温度管理などの工夫はしているが、種で保管するのがよいのか、油にしてから保管するのがよいのか、油の保管温度はどうすべきか。ここも経験と断片的な資料に頼っている。
⑤マイナー作物だからこそ、研究も機械も届いていない
大根、キャベツ、人参のような主要作物は、収穫までのサイクルが短く、市場も大きいため、栽培方法や収穫効率、品質向上の研究が進んでいる。だが椿は違う。木であり、収穫までに時間がかかり、産地も限られ、作物としてはマイナーだ。
そのため、なぜ表年・裏年が激しいのか、どう育てれば実が多くなるのか、どの乾燥方法が最適なのか、どの種が良い油になるのか、十分にわかっていない。現場では、長年の経験に頼っているという状態が続いている。
SAKURAJIMA TSUBAKI(特定非営利活動法人桜島ミュージアム)
鹿児島県・桜島を拠点に、地域資源である椿を活用した椿油および関連商品の製造・販売に取り組む。「椿のある暮らしを未来へ」のビジョンのもと、椿を持続可能な産業にすることを目指している。椿の種を地域の農家や生活者から買い取り、自社または外部委託で搾油・加工し、100%椿油や椿油を配合した化粧品・ライフスタイル商品として展開している。
販路は、鹿児島の観光施設、港、ホテル、特産品売り場などの観光導線に加え、ECや都市部のライフスタイルショップなどにも広がっている。観光土産としての需要と、日用品・化粧品としての需要が存在する。
事業開始当初は、地域にある未利用資源を特産品として活用する文脈が強かった。出口であるブランドや販路を作ってきた一方で、近年は生産者の減少、収穫量の不安定さ、品質管理の未標準化が課題として顕在化している。現在は自社でも畑の管理や種子生産をはじめ、収量を自ら作り出す取り組みも進めている。

インタビュー
火山灰にも耐えうる植物として島で育てられてきた椿。地域の特産品として事業に取り組むということ。
── そもそも、なぜ桜島で椿油に取り組み始めたのでしょうか?
桜島の特産品としての可能性を感じたからです。
鹿児島県は椿油の生産量が全国3位。桜島はその原料の椿の種子の生産において県内で最も盛んな地域です。しかし、あまり県内にすらあまり知られておらず、「余っている」と表現する地元の方もいた。いいものなのに非常にもったいない、特産品として私たちができることがあるのではと感じて、ブランド化や販路開拓に取り組み始めました。
椿は、桜島の環境そのものを物語れる素材でもあります。
特産品は、その土地ならではの固有の特性を生かしたもの、言い方を変えればその土地ならではの制約を受けたものとなることが多いです。
桜島の椿もその一つです。過酷な環境に強い椿は、桜島の火山灰に負けずに育った。そのため、盛んに植えられた。火山やそこで暮らす人のストーリーが見える、まさにこの土地ならではの産物です。ここに非常に価値があると感じました。
今は、「椿のある暮らしを未来へ」のビジョンのもと、椿を持続可能な産業にすることを目指しています。
── 現在、どんなお客さんに届いているのでしょうか?
お客様がお求めになる理由には、主に2種類あるかと考えています。一つは、鹿児島のお土産・特産品として。桜島や鹿児島の観光施設、港、ホテルや特産品グッズ売り場などでお求めいただいています。
もう一つは、日用品や化粧品として、自分の暮らしを豊かにするため。自然派化粧品を探しているお客様にECでお求めいただいたり、全国のライフスタイルショップでお求めいただいています。こういったお客様に届けられるよう、展示会などに出展して販路開拓にも取り組んでいます。
もっと原料があれば、届けられる先はある。年によって左右される収穫量。
── 今、事業として一番大きな課題は何ですか?
原料の供給が非常に不安定なことです。
長年取り組んでいるので、おかげさまでお求めいただけるお客様や取引先も増えてきました。しかし、原料供給が足りず、生産する商品を制限せざるをえないことが多々発生していたり、新商品の開発が積極的にできないという状況になったりしています。産地側、つまり供給側の問題がかなり大きいと考えています。
椿油の事業を始めた当初は「出口を作る」ことに注力しました。ブランドを育て、商品を整え、販路を増やす。20年近く取り組んできて、一定の成果が見えてきたのは喜ばしいことです。
ただ、その間に私たちが思っていた以上に生産量が減ってきた。需要も増えているかもしれない。元々は、「椿の種子が余っている」「もったいないからなんとかしたい」といった感覚ではじめたのですが、取り組んでいる間にいつの間にか状況が変わってきました。
もう椿の種子は余っていません。
── どのくらいの量の椿の種を使っているのでしょうか?
地域全体では年間平均5t前後です。そのうち弊社が扱っているのは平均1-2tでしょうか。
5tという量も、そもそもニーズを満たせる量ではないと感じています。椿を扱う事業者のニーズはそれ以上あると考えています。新しい展開を作る余白がない状態です。
また、年によって豊作(いわゆる表年)・凶作(裏年)の差がかなりあります。この波が毎年交互に来るので、豊作だったからといって全てを商品にすぐに変えることもできません。長期間安定してお客様に届けるために、供給量を制限せざるを得ないこともあります。

そこにある資源を、活用できる資源に転換する必要性。「来年もお願いします」だけでつながってきた仕入れを見直すとき。
── 椿油がお客さんの手に届くまでには、どんな工程がありますか?
種子を育て、集め、選別し、搾油して油に変えて、商品にするという流れです。
主に種子を育てているのは、桜島の農家さんや地域住民です。火山灰の影響で農業が難しくなった時期、そんな環境でも椿なら育つという背景があり、盛んに植えられてきました。
生産者さんが持ってきてくれる種子を買い取り、自社で加工したり地元の搾油工場へ依頼したりして、油にします。その油を100%椿油として販売することもあれば、化粧品原料として配合したグッズを販売することもあります。
約5年前から、自分たちでも生産に取り組み始めました。試行錯誤しながらですが、徐々に収穫量が増えてきました。今後は、安定して原料を調達するためにも、桜島地域の景色を守るためにも、私たちも畑の管理に取り組んでいきたいと考えています。

── 椿の木自体が足りないのでしょうか?
木はあるんです。足りないのは、それを使える資源に変える仕組みです。
私たちの感覚では、「椿の木」という意味での資源は十分にあります。ただ、それを管理して、収穫するまでの仕組みが十分に整っていません。
高齢化により生産を断念したり、畑が次の世代に引き継がれなかったり、様々な事情で管理されなくなった畑や木が相当量あると考えています。一度管理されなくなった畑は、数年ですぐに荒れてしまいます。こういった畑は、そのままでは使えませんが、手を入れれば再生できます。椿の木という潜在資源はありますが、それを有効資源にできていないということかもしれません。
また、現在種子を生産されている生産者の方々も、なんらかの事情で生産ができなくなるかもしれません。畑を次世代に引き継いだり、管理が続けられたりする仕組みがなければ、近い将来椿の生産は非常に危うい状況となります。このあたりをうまく次世代に繋ぐ仕組みも必要だと考えています。
落ちた種を効率よく拾うには?より大きい規模での挑戦を妨げる一つの壁。
── 収穫の現場で、具体的に大変な工程を教えていただけますか?
まず、収穫が大変ですね。
基本的には落ちたものを拾います。落ちたということは、落ちた瞬間から土に触れて、汚れて、劣化していくということです。だから、どれぐらいの頻度で拾うか、どうすれば劣化せずに収穫できるか、考えることがたくさんあります。
落ちた種は、手で一個一個拾います。非常に時間がかかり、人件費がかかる作業です。
── 落ちた種を拾うのは、身体的にもしんどいですよね。
そうなんです。
落ちた種を拾う方法ともぎ取る方法があるのですが、どちらにも良し悪しがあります。
落ちたものを拾う方法の良いところは、木の高さ管理をあまり考えなくて良いこと、完熟した種を収穫できることです。
難しいところは、収穫頻度です。地面に落ちたままになってしまうと、劣化して使えなくなってしまうため、その前に収穫をする必要があります。腰を曲げるのもきつい。地面に膝をついて拾うので、時間もかかります。
一方で、もぎ取る方法は、土に触れないので汚れません。一つの果実の中に種が10個ほど入っていることもあるので、一回でもぎる効率はいい。ただし、収穫に適した高さに木を管理する必要性、高所作業の危険性、収穫時期の見極めなどの課題もあります。
── 収穫を効率化するために、どんな工夫をしてきましたか?
地面にネットを敷いたら、かなり効果がありました。
最初は、本当に手作業だけでやっていたのですが、やっぱり大変で。
去年から、地面にネットを敷き始めました。水は通すけれど、種は通らないぐらいの目のネットです。これはとても良かった。
まず、見やすいんです。土の上に黒い種が落ちていると、本当に見にくく、探すという手間が生まれます。しかし、ブルーのネットの上に種が落ちれば、すごく見やすくなって取りやすい。
それから、劣化しにくい。種が土に直接触れないので汚れにくく、雨が降っても水が通るので汚れにくい。この方法だと、収穫頻度を少し落とせるかもしれません。去年は一部の区画で試しただけですが、今後は本格的に導入したいと思っています。
他にも、海外のナッツ収穫器具を試したりしましたが、椿には合いませんでした。
海外製のナッツを拾う道具も試しました。ローラーを転がすと隙間にナッツが入って回収できるようなものです。
でも椿には少し合わなかった。理由は、椿の種はサイズや形がばらばらだからです。取れるものは取れますが、取れないロスも多い。ゴミも入ってくるので、結局ゴミの選別が大変になる。地面に傾斜があると使えないという問題もありました。
── 理想の状態も教えていただけますか?
理想は、腰を曲げずに一網打尽にできる方法です(笑)
梅農家のようにネットを浮かせて、傾斜をつけて一箇所に集める方法もあるかもしれません。
掃除機のように吸えたら楽かもしれないとも思っています。栗などにはバキュームで吸う機械があるようですが、身近に取り寄せて試せる環境がありません。ブロワーの吸引機能も考えましたが、吸引時に細かく砕くものが多いので、それでは困ります。
とにかく、膝をついて手で拾う以外のやり方が見つかると、だいぶ違うと思います。
人の目と手に頼った選別。ストーリーを大切にしながら、品質を高め・生産性を上げるには?
── 乾燥や選別にも「もっとこうなれば」と思うことがあるのでしょうか?
収穫した後は乾燥が必要です。基本的には生産者さんがする作業なのですが、自分たちで種を収穫するとなると乾燥も自分たちですることになります。
天日干しをするのですが、朝外に出して、夜しまう必要がある。雨が降るかもしれないし、夜は結露する。桜島なので灰が降る可能性もあります。だから目の届かない時間は室内に入れたり、時間帯によって外に出したりしますが、とても手間がかかります。
去年はハウスも試しました。ただ、ハウスで乾燥した種にばらつきが出たので、それがハウス由来なのか、別の理由なのかを検証するために、もう一年ぐらいやらないと、何とも言えないなと思っています。
選別は、人の目と手に頼っています。
まず、袋ごとに全体を見てざっと粗選別します。この袋は良い、というのが大体わかります。100%ではありませんが、8割ぐらいはわかる。
その後、良い種の中から悪いものを外して、本当に良いものだけを残していきます。中央部が白いもの、虫が食って穴が開いているもの、クモの巣やカビが出ているものなどを外します。
ただし、迷ったら捨てるようにしています。最終的にできるものが完璧であれば、その過程でどれだけ捨てても構わない、という考え方で進めています。
1時間で良い種が3~4kgくらい判別できますね。

ただ、本当にその選別が正しいかは検証しきれていません。
悪いと判断した種が100%悪いかというと、多分そうではありません。捨てている方にも、良質なものが混ざっている可能性があります。でも、一個ずつ開いて確認すると、ものすごく時間がかかってしまうんですよね。
何が本当に良不良を分けている要因なのか。より明確な基準を作ることができたら、効率が上がり、ロスが減るかもしれません。
人の手で選別すること自体が悪いとは思っていません。手選別が付加価値になることもあります。ただ、今のやり方は時間がかかるし、基準が曖昧な部分もある。もっといい方法があるかもしれません。
── 品質はどの段階でわかるのでしょうか?
種はその後、砕いて、圧力をかけて油を搾るのですが、砕く時点の匂いや見た目でわかります。そのため、砕く段階でよくない種子が見つかった場合には、選別して混ざらないようにします。
ただ、どの工程も経験則です。定量化できていません。
工程のほとんどは、経験則に基づく定性的な方法論です。何をもって良い種なのか、科学的に検証はできていません。
今までこれで搾ったらこっちの方が良かった、こっちは悪かった。そういう経験の積み上げで判断しています。
乾燥も同じです。日に当たることが必要なのか、紫外線が必要なのか、水分だけ抜ければいいのかもわかっていません。何が作用しているのかはわからない部分もあるが、今のやり方でうまくはいく。だから続いている。でも、それが一番いい方法かどうかは検証していきたいですね。
── 数値化・可視化できていないものは何ですか?
データが取れるとしたら、どういうデータが取れるといいのか。正直、それすらまだわかっていません。
この数字が変わると、オイルにした時のクオリティが変わる。そういう相関が見えるといいのですが、その数字が何なのかがわかっていない。
品質に関する部分もそうですし、工程に関する部分もそうです。乾燥時間、含水率、温度、湿度、種の色、重さ、匂い、保管期間。いろいろあり得ると思いますが、どれが何に作用しているのかはわかっていません。
大根、キャベツ、人参のように多くの人が作り食べる作物は、徹底的に研究されているのではないでしょうか。収穫までのサイクルも早いので、どうすれば効率的に収穫できるか、甘くなるか、研究が進みます。
椿はマイナーです。しかも木なので時間がかかる。だから、あまり研究されていません。
なぜ表年・裏年があるのか。どう育てればたくさん実がなるのか。どう乾燥すればいいのか。科学的にわからないことがたくさんあります。だけど、みんな経験はあって、だからできる。ただ、現状を越えたもっといい方法を見つけるには科学の裏付けが必要かもしれません。
保管する環境は何が最適か。経験則に頼った生産から、データでわかる生産へ。
── 保管についても教えていただけますか?
一気に全部搾油できるわけではないので、10月ごろに取れた種を、半年程度かけて順次搾油していきます。
種を半年ぐらい保管している時にどう劣化していくのか。どういう保管環境がいいのか。そもそも種で保管するのがいいのか、油にして保管するのがいいのか。油にした時は、どう保管するのがいいのか。経験や断片的な資料から、これがいいという方法を採用していますが、科学的な裏付けはもう少し欲しいですね。
今は18度以下での温度管理を一つの目安にしています。長崎県の実験で、気温が平均気温が20度を超えると種子の劣化が進むという結果があり、それを一つの基準にしています。
最適な保管方法がわかれば、それに応じた施設を作っていきたいです。収穫のみでなく、乾燥、選別、搾油、保管、一連の作業の最適化が重要です。

国内市場だけでも伸びる可能性。
── 最後に、桜島の椿油にはどんな可能性があると思いますか?
今の取引はほぼ国内です。海外展開もあり得るとは思いますが、まず国内の需要も全然満たせていません。
感覚としては、現在の数倍の量は、国内にニーズがあるのではと思っています。もちろん正確な数字ではありませんが、それぐらい供給が足りていない実感があります。
今は供給量が少ないので、販売商品を制限せざるを得ません。原料を必要とするような新商品開発にも踏み込みにくい。でも、供給が安定すれば、もっと商品を作って、販路を広げられる。
椿は桜島ならではの地域のストーリーがある素材です。化粧品としても、暮らしの道具としても、特産品としてもまだまだ可能性があります。だからこそ、原料側の仕組みを変えたいと考えています。
インタビュー担当者より
- 現場はすでに「人の手」で品質を守ってきたストーリーがあるため、技術導入は置き換えではなく、信頼を補強する形が望ましそう?
- 収穫地は分散し、傾斜や地面の状態もばらつくため、大型機械よりも小型・可搬・低コストの道具が合う可能性が高い。
- マイナー作物は市場規模が見えにくいが、供給制約が解けると商品開発・販路拡大・海外展開が見える。最初は小さい市場に見えても、周辺作物への応用可能性を含めて設計することに可能性。
- 椿油を搾油した後の搾りカスの再利用にも可能性がありそう(現在は肥料に転換!)
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